投稿日時 2021-02-25 22:31:12 投稿者 楠 結衣 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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よう子さまのSS 『森の歌姫』 ある森の奥に癒しの声をもつ美しいカナリアが住んでおりました。 カナリアが唄うと森の動物は心の中がほわりとあたたかい気持ちに包まれてうっとりと聞き入りました。まるでしあわせが煌めくような唄声なので、カナリアは森の歌姫と呼ばれるようになりました。 カナリアは綺麗なものや美味しいものがなによりも好きでしたので、森の動物たちはきらきら輝くきれいな石や森に実る木の実や果実を見つけるとカナリアに贈るのです。 カナリアは森の動物たちの優しい気持ちが嬉しくて、またとびきり美しい唄をつむぐのです。 ある日、カナリアが湖のほとりで水浴びをしていると一羽の青い鳥がやってきました。 「まあ、すてき……」 「なんて美しい――!」 カナリアはどこまでも澄んだ青色に、青い鳥は煌めく黄色に、お互い一目で恋に落ちたのです。 それから二羽はいつでも一緒にいるようになりました。 青い鳥はとても優しく、カナリアに似合うときれいな花かんむりを贈ります。カナリアは小さな胸がいっぱいになり、しあわせの唄を響かせるのです。 そんな二羽を見ていた森の動物たちは、お似合いな二羽に結婚式をプレゼントすることにしました。 くまのパティシエはとびきり大きなケーキを焼き、りすは木苺をつみました。うさぎは二羽のかんむりをあみ、きつねは飾りつけをして、たぬきはシャンパンを用意しました。 こうして、カナリアと青い鳥はいつまでもしあわせに暮らし、森の奥ではしあわせな歌がいつも聞こえてきたそうです――。 おしまい |
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